安全性向上計画
安全性向上計画
当社は、平成17年4月25日、福知山線 塚口・尼崎間における快速電車の脱線により、107名もの尊い命が失われ、500名を超えるお客様が負傷されるという、極めて重大な事故をひき起こしました。
お亡くなりになられましたお客様のご冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、そのご遺族の皆様に対しまして、深くお詫び申し上げます。また、負傷されたお客様には、心からのお見舞いとお詫びを申し上げ、一日も早いご快復をお祈り申し上げます。ご遺族の皆様、負傷された皆様をはじめ、電車が衝突したマンションにお住まいの皆様に対しましては、全社を挙げて誠意をもって対応させていただく所存です。また、多くの地元の方々、ならびに、お客様に対しまして、多大なるご迷惑とご心配をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。
お客様の安全を守るべき鉄道事業者として、今回の事故は決してあってはならないものであります。亡くなられた方々のご無念や大切なご家族を失われたご遺族の方々のご心情をお察し申し上げると、胸の張り裂ける思いであり、こうした気持ちを、経営陣はもとより全社員が深く胸に刻み込むとともに、もう一度初心に返って、問題点と目指すべき方向について議論し、できることから早急に実施してまいります。
また、二度とこのような事故をひき起こさないため、再発防止に向けて、社長をはじめ経営に携る者が自ら先頭に立ち、強い意志とリーダーシップをもって、全力を挙げて安全を最優先する企業風土の構築に取り組み、「安全第一」を積み重ねることにより、お客様をはじめとする多くの方々の信頼を取り戻せるよう、この安全性向上計画を確実に実施していくことをお約束いたします。
こうした決意のもと、以下のとおり安全性向上計画をとりまとめましたので、ご報告申し上げます。
平成17年5月31日
西日本旅客鉄道株式会社
代表取締役社長
垣内 剛
「安全性向上計画」の一括ダウンロード(PDF形式 76KB)
目次
- 安全に係る現状の総括(反省すべき点・課題)(PDF形式 22KB)
- 風土・価値観において 安全を最優先とする意識について
- 「事故の芽」等の報告に対する対応方において
- 教育・指導のあり方について
- 情報伝達・共有のあり方について
- (1) 業務運営を直接支える現場と経営トップとの双方向コミュニケーションについて
- (2) 現場の情報連絡について
- これまでの事故再発防止策の取り組み方において
- (1) 対症療法的な再発防止対策と「安全を先取りした対策」の不足
- (2) 責任追及型の対策への傾斜と事故の背景分析の不足
- (3) 危機管理意識の不足
- 運行面・設備面での安全対策において
- (1) ダイヤ編成について
- (2) ヒューマンエラーを補う設備面の整備
- (3) 車両配置について
- 安全性向上に向けての基本理念(PDF形式 21KB)
- 行動計画等について(PDF形式 52KB)
- 風土・価値観の変革に向けた取り組み
- (1) 「安全最優先」の徹底
- (2) 企業コンプライアンスの確立
- 「事故の芽」等の報告に対する対応方の是正
- 教育・指導のあり方の見直し
- (1) 管理者教育の充実
- (2) 人材育成・教育制度の見直し
- [1]-1 乗務員全般
- [1]-2 事故再発防止教育
- [2]地上職
- [3]教育訓練設備の拡充
- 情報伝達・共有のあり方の見直し
- (1) 経営トップと現場との直接的意見交換の推進
- (2) セーフティ・マネジメント会議の新設
- (3) 業務指示・相互確認等の徹底による確実な業務遂行
- (4) 現場情報の支社・本社伝達システムの整備
○現場社員から支社長への申告制度のルール化
- 事故再発防止に向けた取り組み
- (1) 社長直属の社長特別補佐の新設
- (2) 安全推進部の機能強化等
- (3) 社外有識者からなる安全諮問委員会の設置
- (4) 危機管理体制の確立
- 運行面・設備面での安全対策について
- (1) 緊急安全対策(安全をバックアップする運転保安設備の整備等の早期化)
- [1] ATS-SW(速度照査機能付)の整備
- [2] 列車ダイヤの見直し
- [3] ATS-P型の整備促進
- [4] 最高速度超過防止対策
- (2) 設備の信頼性向上の早期実施
- [1] 設備および車両の老朽取替の促進
- [2] 車両運用の弾力性向上
- [3] 地震・防災対策
- [4] 踏切保安度向上対策
- (1) 緊急安全対策(安全をバックアップする運転保安設備の整備等の早期化)
- 新たな経営理念の策定と全社員への浸透
- 安全を支える投資計画
- 風土・価値観の変革に向けた取り組み